口腔乾燥症(ドライマウス)
ドライマウスとは
口腔乾燥症とは唾液の減少により、口の中が乾く病気です。
原因は、加齢現象をはじめ唾液腺疾患(主にシェーグレン症候群)によるものや薬の副作用、糖尿病・腎臓疾患など全身的な病気、ストレス、不規則な生活、更年期など多岐にわたります。
ドライマウスの原因
ドライマウスは、原因別に4つに分類することができます。
1.全身性と代謝性のもの
糖尿病・腎障害・貧血など。唾液腺には異常がなく、水分不足による唾液の減少が原因。
2.神経性あるいは薬物性のもの
神経性はうつ病、ストレスなど。薬物性は抗不安薬、抗うつ剤、抗アレルギー剤、降圧剤など。唾液の分泌に関連する神経系が抑制されることが原因。
3.唾液腺自体の障害によるもの
シェーグレン症候群が代表的。その他、放射線治療や加齢による唾液腺障害など。
4.口呼吸
口呼吸による唾液の蒸発
ドライマウスが起こる背景には、唾液腺の機能低下の他にも多種多様な病気が複合的に関連している場合があります。
たとえば糖尿病では唾液分泌量の低下、中高年では更年期障害、高齢者では咀しゃく力の低下や加齢性変化によりドライマウスが起こりやすいといわれています。
その他、薬物の副作用(降圧薬や抗ヒスタミン薬、抗うつ薬や睡眠導入剤、あるいは尿失禁治療薬などはその薬理作用)や現代社会に特有のストレスも指摘されています。
従って、治療にあたってはドライマウスへの対症療法の他、複合的なアプローチが必要となります。
さらにドライマウスが原因で、症状が出現、悪化する 虫歯や歯周病、舌炎、味覚異常なども重大な問題となっています。
自覚症状がなくてもドライマウスの場合もあります。
何でもないからと放っておくと、むし歯や歯周病、口臭なども悪化しますので、まずはお気軽にご相談下さい。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、主に口腔や眼などの乾燥症状を主訴とする膠原病(自己免疫疾患)の一つで、最も深刻なドライマウスの症状を示す病気でもあります。
患者の男女比は1:15と圧倒的に女性が多く、年齢層は40~60歳代で特に50代の更年期前後に好発することが特徴です。
また、関節リウマチ患者の約2割がシェーグレン症候群を合併していると見られています。
シェーグレン症候群に起因するドライマウスは、唾液腺のみならず涙腺(ドライアイ)、気管・気管支(鼻の乾燥・気管支炎)、消化管・膵臓(胃液・膵液の分泌低下)、 膣分泌腺感染など全身に障害が起こる場合があります。
舌炎
舌が炎症を起こす原因はざまざまで、口腔内乾燥、貧血 、ビタミンB群の欠乏などがあります。症状は軽度の接触痛から灼熱感、重度接触痛まであり、性状的にも舌の委縮、溝舌などがあります。 また、味覚異常を併発している場合もあります。 痛みが取れない時や、気になる症状がある場合は当院までご相談ください。