口腔粘膜疾患
口腔粘膜疾患・・・?
口腔粘膜疾患とは舌・頬・歯肉・口蓋などの粘膜から発生する病気です。
口の中には種々の口腔粘膜疾患が発生します。
どんなのがあるの・・・?
アフタ性潰瘍(口内炎)
最も一般的な口腔粘膜疾患です。
直径数ミリのやや白みがかった口内炎で周囲は赤く痛みを伴います(アフタ)。
特に心配な病気ではありませんが、まれに、ある種の全身疾患の一部として生じる場合もあります。
再発性アフタといってアフタが繰り返しできる方もいます。
その他にも、カンジダ性口内炎・義歯性口内炎・ウイルス性口内炎などさまざまな種類の口内炎があります。
白板症
口腔粘膜(頬粘膜、舌、歯肉)にみられる白斑を呈する病変で、こすっても剥離(はくり)しないものをいいます。病変に伴う自覚症状はなく、粘膜より一層隆起した白色もしくは灰白色を呈しています。
癌になる可能性があり、前がん病変の代表的なものとされています。
治療はしこりや潰瘍をともなったものは初期がんが疑われるため、必ず組織をとって調べる必要があります。長期の観察が必要です。
口腔扁平苔癬(へんぺいたいせん)
皮膚や粘膜にできる、角化性で炎症をともなう難治性の病変です。
口腔(こうくう)では頬粘膜(きょうねんまく)や舌、さらに口唇(こうしん)にもできやすく、白い粘膜疹(しん)がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。無症状である場合もあるが、接触痛や食べ物がしみたり自覚症状がある場合もあります。
前癌病変(癌になる可能性がある)であるため経過観察が必要です。
代謝障害などの関与が考えられていますが、正確な原因は不明です。
治療は、局所薬物療法になりますが、アレルギー・喫煙などの対処療法も行います。
病態によっては組織検査を行う必要があります。
口腔カンジダ症
おもにカンジダ・アルビカンスという真菌(カビ)によっておこる口腔感染症です。
急性型と慢性型があり、口腔粘膜の痛みや味覚に障害が出ることもあります。
急性型である偽膜性カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、斑紋状などの偽膜が粘膜表面に付着しています。
この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが剥離粘膜面は発赤ないし、びらんを呈します。
病変が慢性に経過した肥厚性カンジダ症では白苔は剥離しにくくなり上皮の肥厚を伴うようになります。
粘膜疾患(水泡性)
ヘルペスウィルス感染症
口唇や口腔粘膜に疼痛を伴う小水泡が発症する(ヘルペス)や三叉神経の走行に沿って神経様疼痛、知覚異常を伴う小水泡が多発する(帯状疱疹)がある。
天疱瘡(てんぽうそう)
下唇 てんぽう | 口腔てんぽう |
全身的に水泡を生じる疾患であるが、口腔内に初期症状を示すことが多く難治性の疾患である。
口腔粘膜に小水泡を生じ、水泡は早期に破れびらんとなる。
全身的および局所的な薬物療法が必要となる。
舌炎
口腔内乾燥やビタミンの欠乏、鉄欠乏性貧血などにより舌粘膜の委縮、びらん、紅斑などを生じる。 病態によっては接触痛、味覚障害などが生じます。
その他にも、様々な口腔粘膜疾患がございます。臨床的に遭遇する機会の多い疾患を紹介しました。
少しでも気になる症状がある場合は、ご相談ください。